善水寺(湖南市)概要: 岩根山善水寺は滋賀県湖南市岩根に境内を構えている天台宗の寺院です。善水寺の創建は和銅年間(708〜714年)、元明天皇の勅願により鎮護国家の道場として開かれたのが始まりとされます。当初は和銅寺と称していましたが延暦年間(782〜806年)、最澄上人が霊夢の御告げにより「百伝の池」に辿り着き、池の中から薬師如来の金像を発見しました。最澄はこの池の水を霊水と悟り桓武天皇が重病になるとこの霊水を献上、見事病気が平癒し岩根山善水寺の寺号を賜りました。元亀2年(1571)、織田信長の比叡山焼き討ちの兵火が善水寺にまで及び多くの堂宇が焼失しましたが、本堂など4棟は免れ仏像の多くも一時退避したことで残されました。
現在の善水寺本堂は延文5年(1360)の火災で焼失後の貞治3(1364)に再建されたもので木造平屋建て、入母屋、檜皮葺、平入、桁行7間、梁間5間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、室町時代初期に建てられた大型天台密教仏堂の遺構として極めて貴重な事から明治32年(1899)に国宝に指定されています。善水寺は寺宝が多く木造薬師如来坐像、木造梵天・帝釈天立像、木造兜跋毘沙門天立像、木造持国天・増長天立像、木造四天王立像(4躯)、木造不動明王坐像、木造僧形文殊坐像、金銅誕生釈迦仏立像、木造金剛二力士立像(2躯)が国指定重要文化財に指定されています。善水寺は常楽寺、長寿寺と共に湖南三山の1つに数えられています。西国薬師四十九霊場第47番札所。湖南二十七名刹13番札所。山号:岩根山。宗派:天台宗。本尊:薬師如来。
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