石津寺(草津市)概要: 石津寺は滋賀県草津市矢橋町に境内を構えている寺院です。石津寺の創建は伝教大師最澄が一木から2体の仏像を彫り込み、1体を比叡山延暦寺の根本中堂にもう1体を当地に堂宇を建立し祀ったと伝えられています。当初は天台宗の寺院でしたが、中世に真言宗に改宗しています。元暦年間(1184〜1185年)、火災により多くの堂宇が焼失し一時衰退しましたものの延文4年(1359)に室町幕府2代将軍足利義詮が本堂を再建し再興が図られています。
江戸時代に入ると膳所藩(藩庁:膳所城)の藩主の庇護となり寛文5年(1661)には当時の藩主本多俊次により寺領が寄進され境内が整備されています。一方、伝教大師最澄縁の石津寺本尊だった薬師如来像は元禄11年(1698)に東叡山寛永寺(東京都台東区上野桜木一丁目)の根本中堂が落慶した際に寛永寺の本尊として遷されています。
現在の石津寺本堂は延文4年(1359)に再建された当時のもので木造平屋建て、寄棟、本瓦葺、平入、桁行5間(11.5m)、梁間4間(10.27m)、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、内部には室町時代に制作された須弥壇と江戸時代に制作された厨子が安置、屋根の形式は滋賀県内では非常に珍しいもので室間時代初期に建てられた密教仏堂の遺構として大変貴重なことから明治40年(1907)に国指定重要文化財に指定されています。本尊:薬師如来。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-滋賀県教育委員会
|
|