伊夫岐神社(米原市)概要: 伊夫岐神社は滋賀県米原市伊吹に鎮座している神社です。伊夫岐神社の創建は不詳ですが伊吹山は古くから信仰の山として知られていることから古代の自然崇拝から発展したとも思われます。古くから中央にも知られた存在で嘉祥3年(850)に編纂された文徳天皇実録では従五位下、貞観元年(859)に編纂された日本三代実録では従五位上、元慶元年(877)には従三位に列しています。延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳では坂田郡内5座しか記載されていない式内社の1つとなっています。
平安時代初期になると神仏習合の形態となり伊吹山は多くの修験僧の修行の場となり多くの寺院が建立され伊夫岐神社も密接な関係を築きました。伊吹四大寺(観音寺、弥高寺、長尾寺、太平寺)が別当寺院として祭祀を司り、伊吹大菩薩と称していましたが明治時代初頭に発令された仏式が廃されると現在の社号である「伊夫岐神社」に改められ明治9年(1876)には郷社に列しています。祭神:伊富岐大神。
伊夫岐神社の社宝である木造獅子頭は江戸時代初期の慶長10年(1605)に井関治郎左衛門尉入道八林が制作し、七條村(長浜市)から寄進され、雨乞い祈祷で利用されてきたもので、貴重である事から昭和47年(1972)に滋賀県指定文化財に指定されています。木造天狗面は安土桃山時代に制作されたもので、貴重な事から昭和46年(1971)に米原市指定文化財に指定されています。伊夫岐神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、正面軒唐破風、桟瓦葺き、平入、桁行3間、張間2間、外壁は真壁造り板張り。本殿は三間社流造、銅板葺き。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-米原市教育委員会
|
|