徳源院(米原市)概要: 霊通山清滝寺徳源院は滋賀県米原市清滝に境内を構えている天台宗の寺院です。徳源院の創建は鎌倉時代後期の弘安9年(1286)、京極家の始祖とされる京極氏信が開いたのが始まりとされ寺号は氏信の戒名「清滝寺殿道善大居士」に院号は第21代京極高和(播磨龍野藩主、讃岐丸亀藩初代藩主)の戒名「徳源院殿恃英遺達大居士」に起因しています。以来、京極家歴代の菩提寺として当家から庇護されました。
京極家は近江源氏と呼ばれた佐々木氏を源流とする名家で、室町時代には近江・飛騨・出雲・若狭・上総・摂津の6カ国の守護職を務めるなど巨大な勢力を築きますが、同族である六角氏や尼子氏、浅井氏などの勢力拡大により次第に衰退します。戦国時代に入ると織田信長に従い、天正10年(1582)に発生した本能寺の変で信長が討たれると明智光秀に与した為、2500石程度まで厳封となります。
その後、豊臣秀吉に属し大津城6万石の城主まで回復し、慶長5年(1600)に発生した関ヶ原の戦いで東軍に与したことで近世大名としての地位を確立します。清滝寺は京極家が当地を離れた為衰退していましたが寛文12年(1672)に丸亀藩(香川県丸亀市)の藩主京極高豊が領地を交換した事で再び領主となり、清滝寺を再興、三重塔を建立し一族の墓を集めるなど境内を整備し徳源院に改称しました。
三重塔は再建当時のもので宝形屋根、こけら葺、桁行3間、梁間3間、外壁は弁柄色塗り、高さ15.52m、貴重な事から滋賀県指定文化財に指定されています。湖北名刹札所23番。山号:霊通山。寺号:清滝寺。院号:徳源院。宗派:天台宗。本尊:聖観世音菩薩(秘仏)。
徳源院の文化財
・ 京極家墓所(宝篋印塔:18基)−国指定史跡
・ 京極家墓所(宝篋印塔:14基・五輪塔:3基)−滋賀県指定史跡
・ 徳源院三重塔−寛文12年−三重塔婆、高さ15.52m−滋賀県指定文化財
・ 徳源院庭園−江戸時代初期作庭、伝:小堀遠州作−滋賀県指定名勝
・ 道誉桜−伝:京極道誉手植え−滋賀県指定名木
・ 木造聖観世音菩薩立像−米原市指定文化財
・ 大般若経−米原市指定文化財
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