玉泉寺(長浜市)概要: 栄光山玉泉寺は滋賀県長浜市三川町に境内を構えている天台宗の寺院です。玉泉寺の創建は平安時代後期の天元年間(978〜983年)、比叡山延暦寺の中興の祖である良源(慈恵大師又は元三大師)が開いたのが始まりと伝えられています。境内は良源の生誕地と云われ産湯として利用された泉があり「水かえ盆」と呼ばれる行事が行われています(境内に一角には良源の母親のものとされる墓碑が建立されています)。
良源の聖地として寺運も隆盛しますが戦国時代の織田信長の兵火により多くの堂宇が焼失し衰退します。その後、三川町出身で豊臣秀吉や宮部継潤に重用された田中吉政が堂宇の再建を行っています。江戸時代に入ると彦根藩が庇護し安永9年(1780)には12代藩主井伊直幸により本堂が再建されています。
玉泉寺の本尊である木造慈恵大師坐像は鎌倉時代に製作されたもので像高約85cm、寄木造、意匠に優れ保存状態も良く大変貴重な事から大正2年(1913)に国指定重要文化財に指定されています。玉泉寺本堂は木造平屋建て、重層入母屋造、桟瓦葺き、平入、桁行3間、張間2間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り。書院の寺門は小規模ながら下層部が大壁造白漆喰仕上げの竜宮門形式の珍しい建物です。例祭の一つ「元三大師お水取り行事」は古式を伝える行事として貴重な事から昭和54年(1979)に長浜市指定無形民俗文化財に指定されています。虎姫八景。山号:栄光山。宗派:天台宗。本尊:慈恵大師。
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