大荒比古神社(高島市)概要: 大荒比古神社は滋賀県高島市新旭町安井川に鎮座している神社です。大荒比古神社の創建は不詳ですが、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されてる式内社の論社です(高島市マキノ町浦に鎮座している大荒比古神社も同じく論社です)。嘉禎元年(1235年)、近江守護佐々木氏が元々の祭神豊城入彦命、大荒田別命に加えて氏神である四神(少彦名命、仁徳天皇、宇多天皇、敦実親王)を勧請合祀、崇敬社として庇護しました。
元亀3年(1572)、織田信長の高島郡侵攻により西佐々木氏の後裔である高島越中守の本城である清水山城が落城(推定)するとその兵火により社殿が焼失したと思われ、天正2年(1574)に再建されています。江戸時代に入り小浜藩領になると歴代藩主から庇護され正保7年(1647)には初代藩主酒井忠勝が社殿の改修と神輿の修復が行われています。
明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治9年(1876)に村社、明治16年(1883)に郷社に列し、大正3年に現在地に遷座しています。毎年5月4日(以前は5月10日)に開催される例祭「七川祭」に奉納される「奴振り」は古式を伝える行事として貴重な事から昭和34年(1959)滋賀県選択無形民俗文化財に選択されています。
現在の大荒比古神社社殿は文化7年(1810)に再建されたもので、本殿は三間社流造、銅板葺き。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、妻入り、桁行3間、張間3間、外壁は柱のみの吹き放し。中門(神門)は切妻、銅板葺き、一間一戸、薬医門。祭神:大荒田別命、豊城入彦命。配祀神:少彦名命 、仁徳天皇、宇多天皇、敦実親王。
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