酒波寺(高島市)概要: 青蓮山酒波寺は滋賀県高島市今津町酒波に境内を構えている真言宗智山派の寺院です。酒波寺の創建は奈良時代の天平13年(741)、行基菩薩によって開かれたのが始まりとされます。興福寺(奈良県奈良市登大路町)の直末寺として寺運が隆盛し最盛期には56坊を擁し高島七ヶ寺(長法寺・世喜寺・松葢寺・太山寺・清水寺・大谷寺・酒波寺・米井寺)に数えられ後冷泉天皇(第70代天皇・在位:寛徳2年1045年〜治暦4年1068年)、堀河天皇(第73代天皇・在位:応徳3年1087年〜嘉承2年1107年)、二条天皇(第78代天皇・在位:保元3年1158年〜永万元年1165年)が参拝に訪れ真言宗、天台宗の道場として多くの僧侶が修行していました。
酒波寺は戦国時代には領主(小谷城の城主)である浅井氏の庇護し、弘治2年(1556)には浅井長政が堂宇の整備を行い寺領千八百石を寄進したものの、元亀3年(1572)織田信澄の兵火により多くの堂宇が焼失し、さらに信澄は寺領が認められなかった為、衰微します。寛文2年(1662)、菅山寺から覚仁上人を招いて再興し延宝7年(1679)からは智積院(京都府京都市東山区東大路通七条下ル東瓦町)の末寺となっています。
酒波寺山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、薬医門、左右袖壁潜戸付。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り。不動明王護摩堂は木造平屋建て、宝形造、桟瓦葺き、桁行2間、張間2間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り。近江西国三十三箇所8番札所。江州三十三観音霊場第12番札所。高島三十三所観音巡礼第13番札所。山号:青蓮山。宗派:真言宗智山派。千手観世音菩薩。
|