錦織寺(野洲市)概要: 遍照山錦織寺は滋賀県野洲市木部に境内を構えている真宗木辺派の寺院です。錦織寺の創建は天安2年(858)、慈覚大師円仁が霊夢で御告げあり、自ら毘沙門天像を刻み込み安置したのが始まりと伝えられています。当初は天台宗の寺院で天安堂と称していましたが、貞応元年(1222)親鸞が関東から戻る途中天安堂を訪れた際、天女が錦を織っている姿を見るという奇跡が起り、この地を霊地と悟った親鸞が霞ヶ浦(現在の茨城県)から引き上げた阿弥陀如来像を安置して真宗の念仏道場として再興しました。
当時の地頭石畠氏が深く帰依し、歴仁元年(1238)には四條天皇から「天神護法錦織之寺」の勅額を賜りました。以来、歴代領主の庇護や性信、善性、願明、愚咄などの名僧を輩出し寺運が隆盛しましたが天正年間(1573〜1591年)から真宗と浄土宗が混在する状態が続きました。享保11年(1726)に真宗の寺院となり真宗錦織寺派として真宗四ヶ本山の1つに数えられました。
現在の錦織寺表門は18世紀前期頃に建立されたもので切妻、本瓦葺き、薬医門形式。錦織寺御影堂は江戸時代中期の元禄14年(1701)に建立されたもので、入母屋、本瓦葺き、桁行7間、梁間5間、3間向拝、両建物共に江戸時代中期の寺院建築の遺構として貴重なことから滋賀県指定有形文化財に指定されています。山号:遍照山。宗派:真宗木辺派。本尊:阿弥陀如来。
薬医門を簡単に説明した動画
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