熊瀬家住宅(朽木宿)概要: 熊瀬家(仁右衛門家・伊右衛門家)は江戸時代に朽木氏の御用商人だった豪商で醸造業(造り酒屋、醤油造り)などを本業としていました。朽木宿は日本海側の小浜港(福井県小浜市)と京都を結ぶ鯖街道(若狭街道)の宿場町、物資の中継地であった事から室町時代後期には商家が17軒存在し熊瀬家もその一翼を担っていたと思われます。建物は、木造2階建、向かって右側が入母屋、左が切妻で金属板瓦棒葺、平入、1階には下屋庇が設けられています。外壁は正面が真壁造、白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り押縁押さえ、1、2階共に格子戸、木部は弁柄風に着色され独特の雰囲気を出しています。敷地には主屋の玄関の他、表門(切妻、桟瓦葺、一間一戸)が設けられ、直接庭園、座敷に入る事が出来、高い塀で敷地全体を囲わうなど格式の高さを感じます。朽木宿に残る数少ない町屋建築の遺構として貴重で、宿場町の町並み景観に大きく寄与しています。
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