大蛇の淵(多賀町)概要: 神話の時代、この淵には近隣の村人に悪さをする大蛇がすんでいました。村人が犬上建部君稲依命に相談すると命は忠犬小石丸を引き連れ大蛇退治にこの淵まで探しに来ました。大蛇はなかなか見つからず疲れた命はその場で熟睡してしまうと、睡眠を邪魔するように小石丸が激しく吠え立てました。安眠を邪魔された命は怒り狂い小石丸の首を落とすと、はじめて大蛇が背後から命を狙っているのを気づきました。そう、小石丸は命の安眠を邪魔した訳ではなく命に危機を伝えようと必死に吼えていただけだったのである。しかし、小石丸は恨みと思わず首が切れたまま大蛇に立ち向かい喉元を噛み切ると大蛇は小石丸の首と共に淵の底に深く沈んでいきました。命は自らの軽率さと無力感、小石丸の忠節に涙し、残された体を埋葬し祠を建立するといつまでも崇敬したと伝えられています。この故事からいつしか淵のことを大蛇ヶ淵、小石丸が葬られた所を犬胴塚、塚の上に植えられた松を犬胴松、小石丸を祀った祠を犬咬明神と呼ぶようになりました。
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