大滝神社(多賀町)概要: 大滝神社は滋賀県犬上郡多賀町冨之尾に鎮座している神社です。大滝神社の創建は不詳ですが伝承によると平安時代初期の大同2年(807)、坂上田村麻呂(征夷大将軍)が勧請したのが始まりと伝えられています。多賀神社の末社又は奥社と云われ旧大滝村の総鎮守として広く崇敬されてきました。祭神である高おかみの神と闇おかみの神は貴船神社(京都府京都市左京区鞍馬貴船町)と同神で水を司る神として知られ、社殿が大蛇の淵(犬上川)に向かい合っているところからも犬上川の流域を鎮護する神社だったことが窺えます。
江戸時代に入ると多賀大社、胡宮神社と共に徳川将軍家の庇護となり、徳川家の家紋である社紋として三つ葉葵を掲げる事を許されています。伝承によると3代将軍徳川家光が京都に上洛しようと中山道を西上し高宮宿に差し掛かった際、病に罹った為、大滝神社で病平癒の祈願を行うと快癒したと伝えられています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て、明治9年(1876)に村社、明治14年(1881)に郷社に列し、明治41年(1908)に神饌幣帛供進社に指定されています。
現在の大滝神社本殿は寛永15年(1638)に徳川家光が造営したもので一間社流造、檜皮葺、随所に繊細な彫刻が施され、江戸時代初期の神社本殿建築の遺構として貴重な事から昭和48年(1973)に滋賀県指定有形文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、張間2間半、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。中門は切妻、妻入、一間一戸。祭神:高おかみの神。配祀:闇おかみの神、分水神。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(大蛇ヶ淵)-大滝神社
・ 現地案内板-多賀町教育委員会
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