在原茅葺集落・景観

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【在原集落】在原集落滋賀県高島市マキノ町)は福井県に接する事から滋賀県の中でも豪雪地帯として知られ、50cm以上の積雪になる事もしばしばで1mに達する事もあるとされ、晩秋には雪国で見られるような雪囲いが建物に施されます。周囲からも隔絶した場所に位置している事から現在もなお在原集落には数多くの茅葺屋根の古民家が点在する景観が見られます。地名である「在原」は平安時代に在原業平が過した事に起因しているとされ、在原集落では業平が当地で死去し業平の墓碑と伝わる宝篋印塔も建立されています(業平の墓は京都府西京区大原野小塩町に境内を構える十輪寺とその近くの集落にも墓碑が建立されています)。在原業平は平安時代初期の貴族・歌人、六歌仙・三十六歌仙の一人、「伊勢物語」の主人公、平城天皇の孫とされる人物で、容姿端麗で頭脳明晰だったとも云われ、何故、業平が当地で過したのかは不詳ですが興味深いところです。隔絶した環境から、都を追放された貴族や合戦で敗れた武将が隠れ住んだとも云われ、近年まで在原集落だけが周辺の方言とは異なる言葉遣いだったとされ、一説には「都言葉」に近いものだったとも云われています。その後の歴史は不詳ですが、江戸時代には入ると、京都と越後を結ぶ若狭街道の宿場町である海津宿(滋賀県高島市マキノ町海津)の合宿の1つとして機能し、宿場の負担が求められていました。

在原集落の集落の特徴は計画的な町割や意図的な配置が余り見られず、自然発生的な曲線的な主要道の両側に主屋が配されているような印象を受けます。主屋は木造平屋建て、入母屋、茅葺、外壁は板張り、建坪(規模)は比較的に小さく、「伊香造(妻入)」又は「大浦造(平入)」の古民家が多く、特徴である屋根の破風に「前垂れ飾り」と呼ばれる木製の意匠が施されています。

集落の入口部には鎮守である日吉神社と、集落の菩提寺と思われる正法院が境内を構え、信仰の中心になっていました。日吉神社(社格:村社・祭神:大山咋神・配祀神:須佐之男命、神功皇后)の創建は不詳ですが、延長年間(923〜931年)に日吉大社滋賀県大津市坂本)祭神の分霊を環状したのが始まりとされ、戦国時代の元亀から天正年間(1570〜1592年)に織田信長の兵火により大きな被害を受け、社殿、社宝、記録等の古文書が焼失しています。現在の本殿は江戸時代末期の嘉永5年(1852)に造営されたもので、三間社流造、桁行1間、梁間5尺。正法院は文明年間(1469〜1487年)に大原が開基となり創建された浄土宗の寺院で、切妻、銅板葺、一間一戸、華頭窓付、四脚鐘2重楼門が異彩を放っています。

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