新善光寺(栗東市)概要: 九品山新善光寺は滋賀県栗東市林に境内を構えている浄土宗の寺院です。新善光寺の創建は鎌倉時代、小松左衛門慰尉宗定(改名後:高野宗定・平家一門である小松内府重盛の後裔)が平家の御霊を慰める為、信州善光寺(長野県長野市)へ48度参詣を繰り返したところ、宗定の霊夢に善光寺如来の化身が現れ、「近江の霊地に私の分身を祀れば住民を守ることが出来るだろう。」と告げ、慶長5年(1253)、宗定は御告げに従いこの地に御堂を建立し善光寺如来像を安置したのが始まりとされます。境内の一角に設けらた弘安3年(1280)の宝篋印塔は高さ155cm、年代が明確なものとしては滋賀県で2番目の古さを誇り小松左衛門慰尉宗定の墓碑との伝承があります。寛文元年(1661)、当時の膳所藩の藩主本多俊次が崇敬庇護し本堂の再建を行っています。明治元年(1868)には有栖川宮家の三回忌の追善供養が行われ寄進されています。
新善光寺の寺宝である木造阿弥陀如来立像は南北朝時代に制作されたもので、像高98.6cm、玉眼、漆箔仕上げ、慈覚大師円仁が製作したと伝わる胎内仏が安置され大変貴重な事から明治33年(1900)に国指定重要文化財に指定されています。新善光寺の本尊である一光三尊善光寺如来は鎌倉時代(13世紀中頃)に制作されたもので、中尊の阿弥陀如来は銅造、像高47cm、脇侍の観音菩薩立像と勢至菩薩立像は銅造、像高32.5cm、貴重な事から平成22年(2010)に栗東市指定文化財に指定されています。枯山水の庭園が貴重な事から昭和34年(1959)に栗東市指定名勝に指定されています。
新善光寺本堂は明治25年(1892)に再建されたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、撞木造(T字平面)、側面軒唐破風、正面3間軒唐破風、外壁は真壁造り板張り、建築面積308u、明治時代中期の大型寺院本堂建築の遺構として貴重で「再現することが容易でないもの」との登録基準を満たしている事から平成10年(1998)に国登録有形文化財に登録されています。山門は明治35年(1902)頃に造営されたもので、入母屋、本瓦葺き(鯱付き)、三間三戸、桁行3間、張間2間、八脚楼門、建築面積70u、上層部に釈迦仏と十六羅漢像安置、明治時代後期の大型楼門建築の遺構として貴重で「再現することが容易でないもの」との登録基準を満たしている事から平成10年(1998)に国登録有形文化財に登録されています。近江湖南二十七名刹霊場第19番札所。びわ湖百八霊場第99番札所。山号:九品山。宗派:浄土宗。本尊:一光三尊善光寺如来。
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