馬屋(彦根城)概要: 彦根城の馬屋は二の丸佐和口多聞櫓の隣地に位置し、正確な建築年は不詳ですが、概ね元禄年間(1688〜1704年)頃に建てられたと推定されています。明和4年(1767)に彦根城が火災となり二の丸佐和口多聞櫓が焼失、馬屋にも被害があり縮小を余儀なくされています。彦根藩は伝統的に藩士にも馬術を心得として推奨しており、中級武士以上は馬を所有していた関係で、馬屋や馬場が城内にも充実し、当馬屋では最大21頭の馬が管理出来るように整備され、実際藩主が所有する10頭前後の馬が繋がれていたそうです。明治維新後に彦根城が廃城になると佐和口の櫓門や高麗門が解体されましたが、馬屋は奇跡的にも残されています。
彦根城の馬屋は長屋門形式の建物で、東西棟が木造平屋建て、入母屋、こけら葺き、桁行24.2m、梁間5.9m、外壁は大壁造り白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り縦押縁押え。南北棟は木造平屋建て、入母屋、こけら葺き、桁行31.1m、梁間5.9m、外壁は大壁造り白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り縦押縁押え、門付、番所部には武者窓付。現存する馬屋建築では最大級の規模で、全国的に見ても城郭内に残るものは唯一とされ大変貴重な事から昭和38年(1963)7月1日に国指定重要文化財に指定されています。
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