冨田八郎家住宅(木之本宿:長浜市)概要: 冨田八郎家の祖は近江源氏である佐々木京極家に仕えていましたが、浅井氏の台頭で京極家が衰退したことで、天文2年(1533)に現在地に土着し帰農しました。その後、木之本宿で造り酒屋や庄屋など豪商として宿場内で大きな影響力を持ちました。明治天皇北陸巡幸(明治11年:1878年、明治天皇は6回に渡り全国を巡幸し、その3回目にあたります。北陸道を25日間かけて通過し岩倉具視、大隈重信など政府の重鎮が随行しました。)の際には岩倉具視(公家、明治維新で大きな働きをして維新の十傑の1人に数えられています。維新後は新政府の大物政治家として大きな影響力がありました。)が当家に宿泊しています。現在の建物は延享元年(1744)に建てられたもので木造2階建(江戸時代の町屋建築は高さ制限されている為、低い屋根の上に、明治以降に増築されたと思われ正面から見ると3段屋根となっています)、切妻、桟瓦葺、平入、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、正面には格子戸や杉玉、馬繋ぎ金具、店舗の出入口と邸宅の玄関が分けられ敷地間口が広く煉瓦造の煙突が印象的です。
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