勝部神社(守山市)概要: 勝部神社は滋賀県守山市勝部に鎮座している神社です。勝部神社の創建は大化5年(649)、当時の領主物部宿弥広国が祖神を勧請して物部郷(勝部・千代・蜂屋・野尻・出庭)の惣社としたのが始まりとされます。古くから格式が高く仁寿元年(851)には正六位上、元慶6年(882)には従五位以下に列していました。
歴代領主や為政者から崇敬庇護され、明応6年(1497)には六角高頼が本殿を造営、元亀年間(1570〜1573年)には織田信長が起請文60通を奉納、文禄3年(1594)には豊臣秀次(豊臣秀吉の養子)が社領の寄進と本殿の修復を行っています。古くから神仏習合し物部大明神や勝部大明神などと呼ばれていましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏教色が一掃されると現在の社号に改められ、昭和6年(1931)に郷社に列しています。
現在の勝部神社本殿は明応6年(1497)六角高頼が造営した当時のもので三間社流造、檜皮葺、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板、室町時代中期の大型神社本殿建築の遺構として大変貴重なことから大正2年(1913)に国指定重要文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行3間、張間2間、外壁は真壁造り板。
勝部神社の例祭である松明祭(勝部の火祭り)は滋賀県の三大火祭りの1つに数えられるもので、古式を伝える行事として貴重な事から名称「火まつり」として昭和33年(1958)に滋賀県選択無形民俗文化財に選択されています。祭神:宇麻志摩遅命、物部經津主之神、火明命。配祀神:中筒男命。
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