月見亭(石山寺)概要: 月見亭は平安時代後期の保元年間(1156〜1158年)に後白河天皇が行幸の際建立したのが始まりとされ、後年になり何度も修繕されています。現在の建物は江戸時代前期の貞保4年(1687)に建てられたもので、寄棟、茅葺、四方に下屋庇を廻し、外壁は吹き放し、舞台風に高欄が廻り梁を張り出しそれらを支えて、基礎部は鐘楼などに見られる袴腰になっています。明治11年(1878)には明治天皇が明治20年(1887)には昭憲皇太后が、明治43年(1910)には大正天皇が大正7年(1918)には昭和天皇が大正11年(1922)には皇太后陛下など皇室の方々が数多く行幸され、月見亭より雄大な景観を眺められています。近江八景(石山秋月・勢多(瀬田)夕照・粟津晴嵐・矢橋帰帆・三井晩鐘・唐崎夜雨・堅田落雁・比良暮雪)の「石山の秋月」は瀬田川の清流を見下ろすこの地から眺めた風景と云われ、松尾芭蕉(江戸時代前期の俳人)もこの地で「石山の 石にたばしる あられかな」、「あけぼのは まだむらさきに ほととぎす」の句を残しています。
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