観音正寺(安土町)概要: 繖山観音正寺は滋賀県近江八幡市安土町石寺に境内を構えている天台宗系単立の寺院です。観音正寺の創建は推古天皇13年(605)、聖徳太子が琵琶湖に住む人魚の願いを聞き入れ一宇を設けたのが始まりと伝えられています。中世に入ると佐々木六角氏から庇護され寺運が隆盛し最盛期には僧坊70余を擁する大寺となりました。
応仁・文明の乱の際、佐々木六角氏が境内付近に観音寺城を築くことになり麓に移されます。永禄11年(1568)、織田信長の侵攻により観音寺城が落城すると庇護者を失い、さらに焼き討ちにもあい多くの堂宇が焼失し衰退します。慶長11年(1606)、宗徳法橋(教林坊の僧)が再興し境内を再び旧地に戻し堂宇を再建されています。
平成5年(1993)の火災で、明治15年(1882)に彦根城の槻御殿を移築して本堂としていたものが焼失し、重要文化財に指定されていた千手観音立像をはじめ、数多くの仏像や寺宝が廃塵に帰しました。西国三十三ヶ所観音霊場第32番札所(札所本尊:千手千眼観世音菩薩・御詠歌:あなとうと 導きたまえ観音寺 遠き国より 運ぶ歩みを)。 江州三十三ヶ所観音霊場第26番札所。山号:繖山。宗派:天台宗系単立。本尊:千手観音。
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