押立神社(東近江市)概要: 押立神社は滋賀県東近江市北菩提寺町に鎮座している神社です。押立神社の創建は神護景雲元年(767)に白山比盗_社(石川県白山市)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。当初は押立山(標高:772m)山頂付近に鎮座していましたが天元元年(978)に神意により現在地に遷座しています。旧東押立・西押立郷の総社として広く信仰され、永正17年(1520)に客人二所大明神に社号を改め正一位に列し、享禄2年(1529)には百済寺と金剛輪寺から多くの僧侶を招き千部経読誦の会が開催されています。
押立神社は歴代領主からも崇敬庇護され、永禄5年(1562)には当時の領主佐々木六角氏が社領の寄進、永禄10年(1567)には佐々木六角義治が神域の森木伐採の禁制の発布、天正14年(1586)には日根野高吉が諸役を免除、万治2年(1695)には彦根藩主井伊家から社領を寄進されています。
現在の押立神社本殿は応永6年(1373)に建立されたもので三間社流造、桧皮葺、桁行3間、梁間2間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り板張り、三方浜縁、高欄、左右に脇障子付、室町時代初期に建てられた神社本殿建築の遺構として大変貴重な存在で明治35年(1902)に国指定重要文化財に指定されています。
押立神社大門は延文2年(1357)に建てられたと伝えられるもので入母屋、桧皮葺、一間一戸、四脚門、後世の改造がかなり認められるものの室町時代初期に建てられた神門建築の遺構として大変貴重な事から明治44年(1911)に国指定重要文化財に指定されています。60年に一度行われる大祭のドケ祭は、鬼の面をかぶり踊り狂う特異なもので奇祭として名を馳せています。祭神:火産霊神(押立明神)、伊邪那美神(白山神)。
押立神社の文化財
・ 本殿(附:棟札2枚)−応永6年−三間社流造、桧皮葺−国指定重要文化財
・ 大門−延文2年−入母屋、桧皮葺、一間一戸、四脚門−国指定重要文化財
・ 本地仏(2躯:十一面観音・聖観音)−平安時代−東近江市指定文化財
・ 鰐口−室町時代−大永四年甲申三月廿六日の銘−東近江市指定文化財
・ 押立神社文書(1019点)−東近江市指定文化財
・ 押立神社古式祭(ドケ祭)−不定期−東近江市指定無形民俗文化財
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