天皇神社(大津市)概要: 天皇神社は滋賀県大津市和邇中に鎮座している神社です。天皇神社の創建は康保3年(966)、八坂神社(京都府京都市東山区祇園町)の祭神である牛頭天王の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。近隣で延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に名神大社と記載されている小野神社と関係が深いとされ本殿の形式など類似点が多いようです。
又、上記の小野神社の論社でもあり、この説が正しければ続日本紀や三大実録、延喜式神名帳に記された古社で承和3年(826)5月には従五位下、貞観4年(862)には従四位下に列していた事になります。江戸時代までは神仏習合し和邇牛頭天王社と称していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され明治9年(1876)に現在の社号である天皇神社に改称し村社に列しています。
天皇神社本殿は正中元年(1324)に建立したもので三間社切妻造、平入、桧皮葺、桁行3間、梁間2間、向拝1間付、鎌倉時代末期に建てられた神社本殿建築だけでなく地方色も色濃く残る大変貴重な存在で明治43年(1910)に国指定重要文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、妻入り、桁行3間、張間3間、外壁は柱のみの吹き放し。又、境内には、室町時代初期(南北朝時代)のものと思われる石造宝塔や層塔が残り歴史の深さと神仏習合時代の名残が見られます。祭神:素盞嗚命。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-滋賀県教育委員会
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