本福寺(大津市)概要: 夕陽山本福寺は滋賀県大津市本堅田1丁目に境内を構えている浄土真宗本願寺派の寺院です。本福寺の創建は鎌倉時代末期の正和年間(1312〜1317年)、善道(本願寺覚如の門人)が開いたのが始まりと伝えられています。第3世法住は蓮如上人の片腕と云われた人物で、応仁の乱で大谷本願寺で焼き討ちにあうと、蓮如は本福寺を頼った事で当地方の浄土真宗の中心的寺院となりました。
応仁2年(1468)、蓮如を匿った事で比叡山延暦寺と対立し「堅田大責」により延暦寺信徒により焼き討ちにあい大きな被害を受けました。その後も浄土真宗の中心的寺院としての地位を維持していましたが、同門の近江顕証寺の勢力が拡大し永正15年(1518)から3度にわたり破門が行われ急速に衰退します。江戸時代前期に松尾芭蕉の門人である明式(俳号:千那)が再興、芭蕉も3度当寺を訪れ「病雁の夜寒に落ちて旅寝かな」の句を残しています。
現在も数多く古文書を所有しており、室町時代後期に記された3帖1巻(本福寺明宗跡書・本福寺由来記・本福寺門徒記・本福寺跡書)が貴重な事から名称「堅田本福寺中世記録」として昭和51年(1976)に大津市指定文化財に指定されています。山号:夕陽山。宗派:浄土真宗本願寺派。本尊:阿弥陀如来。
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