唐院(三井寺:園城寺)概要: 唐院の創建は貞観元年(859)、円珍が三井寺を再興し境内を整備した際、設置したのが始まりとされます。円珍は前年に唐から持ち帰った経巻、図像、法具などを唐院に収め、さらに貞観10年(868)に仁寿殿(平安京の内裏における殿舎)を下賜されると境内に移築されました。寛平3年(891)、円珍が死去すると寛平4年(892)、増命、円敏によって円珍の御廟が造営され三井寺山内の中でも最も重要な場所として神聖視されました。その後は伝法灌頂の道場として整備され、戦国時代に豊臣秀吉によって破却された後、慶長年間(1596〜1615年)に再興、現在は大師堂、唐門、灌頂堂、四脚門、護摩堂などが残されています。大師堂には木造智証大師像(中尊大師・御骨大師:国宝)と黄不動尊立像(国指定重要文化財)が安置されています。
唐院の境内建物
・ 大師堂-慶長3年-宝形造,檜皮葺,桁行3間,梁間2間-国指定重要文化財
・ 唐門-慶長3年-一間一戸向唐門形式,檜皮葺-国指定重要文化財
・ 灌頂堂-慶長3年-入母屋,檜皮葺,桁行5間,梁間5間-国指定重要文化財
・ 四脚門-慶長3年-切妻,檜皮葺-国指定重要文化財
・ 長日護摩堂-江戸初期-宝形造,本瓦葺,桁行3間,梁間3間-滋賀県指定文化財
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