酒井神社(大津市坂本)概要: 酒井神社は滋賀県大津市下阪本四丁目に鎮座している神社です。酒井神社の創建は平安時代初期の弘仁元年(810)、梵音堂にあった大きな石から酒が湧き出したことから神意と悟り、御神体として祀ったのが始まりと伝えられています。その後、伏見宮家から「酒井神社」の社号を賜ったものの、鎌倉時代の元仁年間(1224〜1225年)に穴太村に祭られていた禅納大明神を勧請した事で、両社権現や両社大明神と呼ばれるようになっています。
元亀2年(1571)に行われた織田信長による比叡山焼き討ちの兵火により社殿が焼失し一時衰退しますが、本能寺の変後に坂本城の城主となった浅井家から崇敬庇護されたことで天正16年(1588)に再建されています。隣接する両所神社は当初は酒井神社境内にありましたが、元和6年(1620)浅野家の後裔である広島藩主浅野長晟が新たに境内を整備し酒井神社から独立しています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治9年(1876)に村社に列し、明治41年(1908)に神饌幣帛料供進社に指定されています。
現在の酒井神社本殿は元和6年(1620)に建立されたもので一間社流造、檜皮葺、工法や組物、彫刻など江戸時代初期の神社本殿建築の特徴を継承する貴重なものとして昭和34年(1959)に滋賀県指定文化財に指定されています。例祭である「おこぼさん」は五穀豊穣を祈願する奇祭で、古式を伝える行事として貴重な事から大津市指定無形民俗文化財に指定されています。境内にある琵琶湖洪水石標は明治29年(1896)に起った大洪水の最高水位線が明示されているもので考古資料や琵琶湖治水史にとって貴重なものとして昭和40年(1965)に大津市指定文化財に指定されています。木造仮面(3面)は貴重な事から昭和56年(1981)に大津市指定文化財に指定されています。祭神:大山咋命。
【 参考:サイト 】
・ 公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-下阪本学区まちづくり推進協議会
・ 現地案内板(由緒)-酒井神社
|
|