鶴喜そば(大津市坂本)概要: 鶴喜そばは江戸時代中期から続く老舗そば屋です。享保元年(1716)、初代となる鶴屋喜八が蕎麦屋を始めたのが始まりで、名声が高まると比叡山延暦寺に仕出しや、門前で修行を終えた僧侶達からも愛されるようになりました。明治45年(1912)には皇太子(後の大正天皇)が彦根に滞在中に鶴喜そばを御所望になり、さらに明治天皇への御土産とした縁で宮中年越蕎麦を納入する名店として名を馳せました。現在の建物は明治20年(1887)に建てられたもので、木造2階建、入母屋、桟瓦葺、平入、建築面積167u、2階には高欄が周り(腰部には精緻な彫刻)、正面屋根中央には千鳥破風風の入母屋屋根(銅板葺き、妻面が正面)が前に張り出し看板を強調しています。鶴喜そば本店店舗は明治時代中期の建てられた町屋建築として貴重な存在で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との登録基準を満たしている事から平成9年(1997)に国登録有形文化財に登録されています。
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