慈眼堂(大津市坂本)概要: 滋賀県大津市坂本4丁目に境内を構えている天台宗の寺院です。慈眼堂の創建は寛永年間(1624〜1644年)、3代将軍徳川家光が慈眼大師天海の廟所として建立したものが始まりとされます。天海大僧正(南光坊天海)は戦国時代から江戸時代初期にかけての天台宗の高僧で、徳川家康、秀忠、家光の3代に側近として幕政にも大きな影響力を与えました。天海は寛永20年(1643)に108歳で没したとされるので、その直後に天海縁の当地(天海は織田信長で焼き討ちになった比叡山延暦寺の再興に尽力し)に廟所が設けられ本尊である木造慈眼大師坐像が納められたと思われます。
慈眼堂の寺宝である木造慈眼大師坐像は像高75.1cm、極彩色、大変貴重な事から明治33年(1900)に国指定重要文化財に指定されています。現在の慈眼堂は正保3年(1646)に建てられたもので、宝形造、桟瓦葺、桁行3間、梁間3間、厨子1基、釣燈籠2個、石燈籠16基と共に滋賀県指定有形文化財に指定されています。又、境内には戦国時代に近江守護で観音寺城の城主だった六角承禎が母の菩提の為近江鵜川に建立した石仏48体のうち13体が移されたものをはじめ、数多くの石仏や御骨塔、墓、供養塔、五輪塔(慈眼大師供養塔・ 桓武天皇の御骨塔・ 後陽成天皇供養塔・ 後水尾天皇供養塔・ 徳川家康供養塔・ 清少納言供養塔・ 紫式部供養塔・ 新田義貞供養塔・ 歴代天台座主の墓)などがあります。宗派:天台宗。
|