水口神社(甲賀市)概要: 水口神社は滋賀県甲賀市水口町宮の前に鎮座している神社です。水口神社の創建は不詳ですが、伝承によると垂仁天皇の御代(紀元前29年〜紀元後70年)、稲田姫命が現在地に天照大神の神鏡を祀り大己貴命の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。日本三代実録によると貞観元年(859)に従五位上に列した事が記載され、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳には式内社として記載されていました。中世に入ると大岡寺と神仏習合し、社運も隆盛した事で広大な境内を有していましたが度重なる兵火や火災などで衰微し天正年間(1573〜1593年)には社領130石が認めらず衰退しました。
江戸時代に入ると幕府から庇護され寛文3年(1663)には当時の代官だった小堀氏により社殿が再建されました。水口藩が立藩すると歴代藩主の崇敬社となり正徳5年(1715)には藩主加藤嘉矩が社殿を造営しています。明治時代初頭に発令された神仏分離令により神社として独立し明治9年(1876)に郷社、大正13年(1924)に県社に列しました。
現在の水口神社社殿は明治30年(1897)に造営されたもので、拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、妻入り、桁行3間、張間3間、外壁は柱のみの吹き放し。神門(中門)は切妻、銅板葺き、一間一戸、四脚門形式。幣殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、妻入り、桁行3間、張間3間。本殿は一間社流造、銅板葺き。祭神:大水口宿禰 。配祀神:大己貴命、素盞嗚尊、稻田姫命。
水口神社の文化財
・ 女神座像−藤原時代−国指定重要文化財
・ 水口曳山−滋賀県無形民俗文化財
・ 石灯籠−康永元年−甲賀市指定文化財
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