玉桂寺(甲賀市)概要: 秋葉山十輪院玉桂寺は滋賀県甲賀市信楽町勅旨に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。玉桂寺の創建は不詳ですが奈良時代の天平5年(761)に造営された淳仁天皇の離宮「保良宮」が前身とも、同年に飛鳥田内親王の勅願によって開かれた保良寺が前身とも、弘仁6年(815)に弘法大師空海(真言宗開祖)が開いたとも云われています。その後、文徳天皇と後花園天皇の勅願寺になるなど寺運が隆盛し、江戸時代には3万石の格式を得て籐丸の駕を認可されました。
玉桂寺の寺宝である阿弥陀如来立像は法然上人の1周忌である建暦2年(1212)に源智(法然の弟子)が発願したもので像高98.6cm、作者は快慶流を継承した人物とされます。像内には源頼朝をはじめ5万人の結縁交名が納入され歴史的資料の価値も高く国指定重要文化財に指定されています。境内にある高野槙は弘法大師空海が淳仁天皇の冥福を祈る為び手植えしたと伝わるもので推定樹齢500〜600年、左右1株づつ植えられたものが左側43株、右側22株まで増え、貴重な事から昭和49年(1974)に繁殖面積425uが滋賀県指定天然記念物に指定されています。
玉桂寺境内に建立されている石造五輪塔は、鎌倉時代後期の正和5年(1316)に制作されたもので、花崗岩製、高さ177.5cm、貴重な事から甲賀市指定文化財に指定されています。ぼけ封じ三十三観音第5番。びわ湖108霊場第88番札所。山号:秋葉山。院号:十輪院。本尊:弘法大師。
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