嶺南寺(甲賀市)概要: 梅香山嶺南寺は滋賀県甲賀市甲南町竜法師に境内を構えている天台宗の寺院です。嶺南寺の創建は神亀2年(725)、良弁によって開かれたのが始まりとされます。延暦年間(782〜805年)、伝教大師最澄が巡錫で当地を訪れと、疫病が蔓延し多くの住民が病で苦しんでいました。最澄は天台宗に改宗させると共に薬師如来と地蔵菩薩を安置し祈祷すると忽ち病気が平癒したと伝えられています。
長保年間(999〜1004)には恵心僧都が巡錫で当地を訪れ、無量寿仏を自ら彫刻する共に梅の木で作った杖を庭に突き刺すと、それが根付いて梅の花の香が境内一円に広がった事から山号を「梅香山」に改めたそうです。嘉承年間(1106〜1108年)の火災により大きな被害を受け衰微しますが、江戸時代に入った天和2年(1682)に広円法印により再興されています。当初は安養院と称し、竜法師宮根にありましたが享保8年(1723)に再び火災により多くの堂宇が焼失した際、現在地に境内を移し再建、寺号を「嶺南寺」に改称しています。
隣接する天満宮は天喜3年(1055)に安養寺の鎮守社として勧請されたもので神仏習合時代の名残が見られます。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、妻入り、外壁は柱のみの吹き放し。本殿は一間社流造、銅板葺き。嶺南寺の本尊である地蔵菩薩坐像は鎌倉時代後期に製作されたもので像高109cm、寄木造、漆箔、大変貴重な事から国指定重要文化財に指定されています。山号:梅香山。宗派:天台宗。本尊:地蔵菩薩。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-甲賀市教育委員会
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