円満寺(近江八幡市)概要: 呑海山円満寺は滋賀県近江八幡市多賀町に境内を構えている臨済宗永源寺派の寺院です。円満寺の創建は貞治6年(1367)、寂室元光(永源寺の開祖)が開いたのが始まりと伝えられています。戦国時代の兵火で多くの堂宇が焼失し衰退しましたが江戸時代中期に近衛基熈中興が中興し享保7年(1722)に本堂が、安永9年(1780)に表門が再建されています。本尊である十一面観音菩薩は平安時代に製作されたもので像高83cm、大変貴重な事から明治42年(1909)に国指定重要文化財に指定されています。
円満寺寺宝である千石船絵馬額は嘉永4年(1851)に近江商人西川伝右衛門(住吉屋)が松前(北海道松前町)貿易の航海安全を祈願して円満寺の鎮守社である金毘羅大権現社(現在の琴平神社)に奉納したもので、住吉屋所有の北前船6隻を描いた浪華船絵師大和屋作、貴重な事から近江八幡市指定文化財に指定されています。同じく嘉永4年(1851)に西川伝右衛門(住吉屋)が金毘羅大権現社に奉納した千石船模型が貴重な事から近江八幡市指定有形民俗文化財に指定されています。
円満寺本堂は享保7年(1722)に造営されたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行2間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。表門(山門)は安永9年(1780)に造営されたもので、重層入母屋造、桟瓦葺き(鯱付き)、一間一戸、四脚門、「呑海山」の山号額、上層部は塗屋造り白漆喰仕上げ。山号:呑海山。宗派:臨済宗永源寺派。本尊:十一面観世音菩薩。
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