伊崎寺(近江八幡市)概要: 姨倚耶山伊崎寺は滋賀県近江八幡市白王町に境内を構えている天台宗の寺院です。伊崎寺の創建は不詳ですが奈良時代、役小角が開基したのが始まりと伝えられています。伝承によると役小角が巡錫で近くを通った際、突然、猪が出現し当地まで導いたとされ、霊地と悟った役小角により修験場として開き、この故事から「猪先=イサキ=伊崎」の名称の由来となっています。
貞観年間(859〜877年)、相応(比叡山回峰行の創始者)が自ら不動明王像を彫刻し安置するなど再興し比叡山延暦寺の末寺となりました(事実上、相応により寺院として開山したとされます。
又、相応は修行の際、不動明王の感得を得た葛の霊木から3躯の不動明王像を彫刻し、葛川明王院、比叡山無動寺、伊崎寺の3カ寺に安置したとされ、この3カ寺は天台修験の三大聖地とも言われています)。
古くから修行道場として知られ、荒行の1つで琵琶湖に面する断崖絶壁の上に建立された竿飛び堂から突き出した棹(長さ13m、水面から7m)の先端から琵琶湖に飛び込む「竿飛び行事」が引き継がれています。
伊崎寺の境内は元々独立した島だった事から船でしか渡れず、山門(切妻、桟瓦葺、一間一戸、四脚門)も当時の船着場から境内に至る石段の中間に位置し現在でもその名残が見られます。伊崎寺本堂は文化15年(1813)に再建されたもので木造平屋建て、入母屋、本瓦葺、平入、正面千鳥破風、桁行5間、正面3間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造り板張り側面花頭窓付。
本尊の木造不動明王坐像は平安時代中期の10世紀末頃に製作されたもので像高85.4cm、檜材、一木造、滋賀県を代表する不動明王像として大変貴重な事から平成18年(2006)に国指定重要文化財に指定されています。山号:姨倚耶山。宗派:天台宗。本尊:不動明王。
伊崎寺の文化財
・ 木造不動明王坐像−平安時代中期−国指定重要文化財
・ 木造聖観音立像−平安時代−近江八幡市指定文化財
・ 木造帝釈天立像−平安時代−近江八幡市指定文化財
・ 木造天部形立像−平安時代−近江八幡市指定文化財
・ 金銅装笈−室町時代−近江八幡市指定文化財
懸造を簡単に説明した動画
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