願成就寺(近江八幡市)概要: 比牟礼山願成就寺は滋賀県近江八幡市小船木町に境内を構えている天台宗の寺院です。願成就寺の創建は推古天皇27年(617)、聖徳太子が勅願により建立した48伽藍の最後の寺院として開かれました。寺号は聖徳太子の誓願が成就した事から願成就寺となったとされ、本尊の十一面観音立像は太子自ら彫り込んだ像と伝えられています。その後、衰退しましたが、平安時代初期に比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本)の末寺として再興され寺運も隆盛し、康安2年(1362)には後光厳天皇が新年の行幸を行っています。
元亀2年(1571)の織田信長の兵火により大きな被害を受けたものの、信徒が事前に仏像や経典などを持ち出した為、現在も数多くの寺宝を所有しています。当初は日牟礼山(八幡山)西南にありましたが天承3年(1585)に豊臣秀次が八幡山城を築く際、鷹飼に移され、その後大正4年(1915)に現在地に移されました。古くから神仏習合し興隆寺(近江八幡市多賀町)と共に日牟礼八幡宮の別当寺院として祭祀を司ってきましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により分離しています。願成就寺本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行5間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。山号:比牟礼山。宗派:天台宗。本尊:十一面観音菩薩。
願成就寺の文化財
・ 十一面観音立像−藤原時代,像高107cm−国指定重要文化財
・ 地蔵菩薩立像(木ノ中地蔵尊)−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 地蔵菩薩立像−藤原時代−滋賀県指定文化財
・ 阿弥陀如来立像−南北朝時代−近江八幡市指定文化財
・ 絹本著色五大明王像−鎌倉時代−近江八幡市指定文化財
・ 梵鐘−桃山時代(慶長16年)−近江八幡市指定文化財
・ 大般若経−平安時代〜江戸時代−近江八幡市指定文化財
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