興隆寺(近江八幡市)概要: 比牟礼山興隆寺は滋賀県近江八幡市多賀町に境内を構えている天台宗の寺院です。興隆寺の創建は推古天皇27年(619)、聖徳太子が開いたのが始まりと伝えられています。天台宗の寺院として寺運が隆盛し多くの堂宇が建立され、天正5年(1577)に織田信長が安土城を築城の際、城下町に開かれた浄厳院に弥勒堂(国指定重要文化財)が移築され本堂として現存しています。当初は八幡山大平に境内を構えていましたが、元亀元年(1570)に発生した兵火により境内が大きな被害を受けた為、北之庄町に遷り、江戸時代初期の寛永10年(1633)に現在地に再度境内を遷しています。
古くから神仏習合し、願成就寺(近江八幡市小船木町)と共に日牟礼八幡宮の別当寺院として祭祀を一端を担い、明治時代初頭に発令された神仏分離令により分離したものの、現在でも例祭である松明祭には多賀町から大松明が奉納されています。興隆寺の寺宝である木造弥勒仏坐像は平安時代に製作されたもので滋賀県指定文化財に、木造大日如来坐像は平安時代に製作されたもので近江八幡市指定文化財にそれぞれ指定されています。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行4間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。山号:比牟礼山。宗派:天台宗。本尊:大日如来。
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