北野寺(彦根市)概要: 金亀山北野寺は滋賀県彦根市馬場1丁目に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。北野寺の創建は奈良時代の養老4年(720)、元正天皇の勅願により藤原房前(近江国司、藤原鎌足の孫)が護命上人を招いて開いたのが始まりと伝えられています。当初は彦根寺と称し金亀山(旧彦根山)山頂付近にあったとされ、霊験が高く数多くの皇室や公家をはじめ近畿内の善男善女が参拝に訪れ参道は巡礼街道と呼ばれていたそうです。慶長8年(1603)、彦根城を築城の際、現在地に移され寺号を北野寺に改称、以来、彦根藩歴代藩主の祈願寺として庇護されました。寺号は井伊家の旧領だった上州高崎城主時代に、強い繋がりがった北野寺(群馬県高崎市)に起因し、隣地には神仏習合した北野神社が創建されています。
北野寺の寺宝である木造役ノ行者倚像は応永18年(1411)に製作されたもので欅材、一木造り、像高94.7cm、室町時代の彦根寺と修験信仰との関係を示す資料的価値が高く昭和57年(1982)に彦根市指定文化財に指定されています。北野寺山門は入母屋、桟瓦葺き、三間一戸、桁行3間、張間2間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ木部朱塗り、左右に仁王像安置。
北野寺本堂は寛政12年(1800)に造営されたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、張間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造板張り、内部の内陣には本尊となる聖観世音菩薩像が安置されています。近江西国三十三観音霊場第14番札所。近江湖東二十七名刹霊場5番札所。びわ湖百八霊場第58番札所。山号:金亀山。宗派:真言宗豊山派。本尊:聖観世音菩薩。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由緒)-金亀山北野寺
・ 現地案内板-彦根市教育委員会
・ 現地案内板
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