小谷寺(長浜市)概要: 如意輪山小谷寺は滋賀県長浜市湖北町伊部に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。小谷寺の創建は神亀5年(728)、泰澄上人(修験道の高僧)によって開かれたのが始まりと伝えられています。当初は小谷山に開かれた霊場の坊の1つで桃津寺と称していましたが、その後、常勝寺に改称、永享元年(1429)には後花園天皇から如意輪山の勅願を賜わり勅願寺として寺運も隆盛しました。大永元年(1429)、浅井亮政が小谷城を築く際境内が麓に移され寺号を小谷寺に改称、以来、浅井家の祈願所となり3代にわたって庇護されます。
天正元年(1573)、織田信長による小谷侵攻により小谷城が落城、当寺もその兵火により多くの堂宇が焼失しています。文禄2年(1593)、豊臣秀吉により寺領44石が寄進され現在地に再建、江戸時代に入っても朱印状40余石が安堵されました。
小谷寺本尊の如意輪観音は金銅製の半跏思惟像で制作年鎌倉時代、像高22.8cm、貴重な事から長浜市指定文化財に指定されています。絹本著色両界曼荼羅は鎌倉時代に制作されたもので縦170.3cm、横143.3cm、貴重な事から長浜市指定文化財に指定されています。小谷寺本堂は木造平屋建て、入母屋、鉄板葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上。
境内に鎮座している小谷神社は小谷城の鎮守社として山王丸に鎮座し山王社と呼ばれていましたが、天正元年(1573)に小谷城が落城すると北谷に遷座し、昭和49年(1974)に現在地に遷座しています。近江湖北二十七名刹霊場第11番札所。びわ湖百八霊場第37番札所。山号:如意輪山。宗派:真言宗豊山派。本尊:如意輪観世音菩薩。
小谷寺の文化財
・ 孔雀文磬−弘長3年−国指定重要文化財
・ 金銅半跏思惟像−鎌倉時代−長浜市指定文化財
・ 絹本著色両界曼荼羅(2幅)−鎌倉時代−長浜市指定文化財
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