石道寺(長浜市)概要: 己高山石道寺は滋賀県長浜市木之本町石道に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。石道寺の創建は神亀3年(726)延法上人が開山し行基菩薩によって境内が整備されたのが始まりと伝えられています。延暦23年(804)に伝教大師最澄が十一面観世音像、脇仏持国天像、多聞天像を自ら彫り込み再興すると比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本)の別院としました。己高山(標高:923m)周辺は平安時代から鎌倉時代にかけて天台宗の修験道場として繁栄し中でも石道寺は己高山五箇寺(法華寺、石道寺、観音寺、高尾寺、安楽寺)、観音寺別院六ケ寺(鶏足寺、 飯福寺、円満時、石道寺、法華寺、安楽寺)、己高山七大寺の一つとして大きな影響力を持ち湖北の比叡山との異名を持ちました。
その後、衰退しましたが室町時代に入り源照上人が再興し真言宗に改宗、38坊、衆徒20口を擁するなど寺運も隆盛します。その後も領主浅井家や為政者であった豊臣家や徳川家などの庇護もありましたが、往時には至らず、明治時代初頭に発令された神仏分離令とその後に吹き荒れた廃仏毀釈運動により急速に衰退し明治中期には無住となります。
大正3年(1914)に現在地に移し高尾寺と合併、観音堂(木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行3間、正面1間向拝付、外壁は真壁造板張り)を再建し、以来、地区住民により管理され、現在でも数多くの寺宝を所有しています。近江西国三十三箇所観音霊場第11番札所。江州伊香郡観音三十三箇所観音霊場第33番札所。近江湖北二十七名刹霊場第5番札所。びわ湖百八霊場31番札所。山号:己高山。宗派:真言宗豊山派。本尊:十一面観音立像。
石道寺の文化財
・ 木造十一面観音立像-平安時代中期-像高173p,一木造-国指定重要文化財
・ 木造持国天像-鎌倉時代-像高184p,彩色,玉眼-国指定重要文化財
・ 木造多聞天立像-鎌倉時代-像高184p,彩色,玉眼-国指定重要文化財
・ 刺繍種子幡(14旒)-室町時代-長さが96〜64.1p-国指定重要文化財
・ 木造十一面観音立像-藤原時代-像高102p-滋賀県指定文化財
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