神照寺(長浜市)概要: 日出山神照寺は滋賀県長浜市新庄寺町に境内を構えている真言宗智山派の寺院です。神照寺の創建は寛平7年(895)、宇多天皇の勅願により益信僧正が開いたのが始まりと伝えられています。歴代領主や為政者に庇護され寺運が隆盛に最盛期には境内には七堂伽藍が建ち並び300余坊を擁する大寺となりました。観応2年(1352)には足利尊氏が弟足利直義との対立である観応の擾乱の際、神照寺で宿泊し、境内に萩を植樹したと伝えられています。
神照寺境内周囲には土塁や堀などの防衛施設を整備するようになると新庄寺城(神照寺城)と呼ばれるようになり、大永3年(1523)には京極高慶の陣所として利用され、天文2年(1533)には浅井亮政が今井秀信を神照寺に呼び出し謀殺しています。領主浅井家から庇護されたことで元亀元年(1570)の姉川の戦いや天正元年(1573)の小谷城の落城の兵火により多くの堂宇が焼失し一時衰退します。
その後領主で長浜城の城主となった羽柴秀吉も篤く庇護し堂宇の造営や寺領の寄進、禁制の発令などを行っています。江戸時代に入ると幕府が庇護し寺領が安堵されました。神照寺は数多くの寺宝を所有し金銀鍍透彫が国宝に指定されているのをはじめ多くが文化財指定されています。びわ湖百八霊場第41番札所。山号:日出山。宗派:真言宗智山派。本尊:金剛界大日如来・胎蔵界大日如来。
神照寺の文化財
・ 金銀鍍透彫(16枚)−鎌倉時代−国宝
・ 木造半肉彫千手観音立像−平安時代後期−国指定重要文化財
・ 木造毘沙門天立像−平安時代後期−国指定重要文化財
・ 金銅透彫華鬘(11枚)−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 木造不動明王立像−鎌倉時代末期−滋賀県指定文化財
・ 木造不動明王立像−平安時代後期−滋賀県指定文化財
・ 絹本著色十王像−室町時代−長浜市指定文化財
・ 絹本著色十六羅漢像−室町時代−長浜市指定文化財
・ 神照寺寺田記録−室町時代中期−長浜市指定文化財
・ 羽柴秀吉寄進状−天正元年−長浜市指定文化財
・ 羽柴秀吉制札−天正10年−長浜市指定文化財
・ 豊臣秀吉朱印状−天正19年−長浜市指定文化財
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