知善院(長浜市)概要: 宝生山知善院は滋賀県長浜市元浜町に境内を構えている天台真盛宗の寺院です。知善院の創建は不詳ですが、当初は小谷城の城下町にあったと云われています。天正4年(1576)頃、羽柴秀吉が長浜城を築く際、城の鬼門鎮護として長浜に移し寺領30石が安堵されました。秀吉死後の江戸時代でも寺領が安堵され、さらに大坂の陣で大坂城落城の際、城から持ち出された木造豊臣秀吉像が持ち込まれたことで秀吉信仰の中心的な寺院の1つとなりました。知善院の寺宝には豊臣家縁の品々が多く、木造阿弥陀三尊像は秀吉が円教寺から譲り受けたと伝えられるもので、淀殿浅井氏(淀君)自筆消息や知善院宛豊臣秀吉朱印状、山門は長浜城から移築したものと伝えられています。
元禄15年(1702)に建立された観音堂は秀吉に感謝する町民達の手で建立されたもので内部には「豊国大明神」の掛け軸が掲げられ、秀吉の150回忌、200回忌、250回忌も当寺で執り行われました。江州三十三観音第19番札所。近江湖北27名刹第17番札所。山号:宝生山。宗派:天台真盛宗。本尊:阿弥陀如来。
知善院の文化財
・ 木造十一面観音座像−鎌倉時代−国指定重要文化財
・ 知善院表門−桃山時代−長浜市指定文化財
・ 淀殿浅井氏(淀君)自筆消息−慶長12年−長浜市指定文化財
・ 知善院宛豊臣秀吉朱印状−天正19年−長浜市指定文化財
・ 木造阿弥陀三尊像−鎌倉時代後期−長浜市指定文化財
・ 木造豊臣秀吉像−安土桃山時代−長浜市指定文化財
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