川道神社(長浜市)概要: 川道神社は滋賀県長浜市川道町に鎮座している神社です。 川道神社(前身の八王子社)の創建は和銅年間(708〜715年)に当時の近江守である忌寸河内が祖神を勧請したのが始まりと伝えられています。延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社上許曾神社の論社でもあり古くから信仰されてきました。文治年間(1185〜1189年)に上内森下に鎮座していた神明社が大洪水により大破した事を受け、八王子社の境内に遷座したとされます。歴代領主や為政者からも崇敬され、延元年間(1336〜1339年)に室町幕府初代将軍足利尊氏が戦勝祈願が行われ、見事念願成就すると神意に感謝し、様々なものが寄進され、文和年間(1352〜1355年)には別当寺院である泰平寺の僧侶である覚誉上人により境内が整備されています。
その後は、当地の領主で小谷城の城主浅井氏が崇敬社として篤く保護とていましたが、天正元年(1573)織田信長の侵攻により小谷城が落城し浅井氏が没落すると庇護者を失い衰微しました。江戸時代に入ると宮川藩の藩主堀田家の祈願所として庇護され、享和年間(1801〜1803)には社殿の造営が行われています。
川道神社は古くから神仏習合し隣接する千手院(泰平寺の後継寺院)が祭祀を司ってきましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏教色が一掃されています。明治3年(1870)に神明社と八王子社が合併した事を受け朝日山藩の命により社号を「川道神社」に改め、明治9年(1876)に村社、昭和2年(1927)に郷社に列し、明治41年(1908)に神饌幣帛料供進社に指定されています。
川道神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行2間、張間2間、外壁は真壁造り板張り袴付き。本殿は三間社流造、檜皮葺。中門(神門)は向唐門、一間一戸、檜皮葺。毎年3月1日の例祭では「オコナイ」神事が行われ五穀豊穣・国家安泰が祈願されます。祭神:大物主命、大山咋命。配祀:天照皇大神、豊受大神。
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