塩津神社(長浜市)概要: 塩津神社は滋賀県長浜市西浅井町塩津浜に鎮座している神社です。塩津神社の創建は不詳ですが上古の時代、この地に塩が湧き出る泉があり塩土老翁から製塩の技法を伝えられた子孫達が勧請したのが始まりと伝えられています。中古の時代の大地震で泉も製塩の道具も埋没しましたが当社の祭祀は続けられいつしか周辺地域の総社として広く信仰されるようになりました。延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社に記載されるなど中央にも知られた存在で朝廷や周辺の有力者からの参拝や社殿の造営を受けました。
南北朝時代の文和元年(1352)には室町幕府2代将軍足利義詮が後光厳天皇(北朝第4代天皇・在位:観応3年1352年〜応安4年1371年)を奉じて塩津神社に参拝で訪れ、中世を通して当地の領主で塩津城の城主である熊谷氏から崇敬庇護されました。元亀元年(1570)の兵火により社殿が焼失、寛永年間(1624〜1645年)に伏見稲荷の分霊を勧請されたことで稲荷明神や海北稲荷明神、海北之宮などと呼ばれていました。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治5年(1872)に塩津神社に改称、明治9年(1876)に村社、明治17年(1884)に郷社に列し、明治43年(1910)に神饌幣帛料供進神社に指定されています。
現在の塩津神社本殿は元禄7年(1694)に再建されたもので一間社流造、銅板葺、棟梁は藤岡甚兵衛光守、江戸時代中期に建てられた神社本殿建築の遺構として貴重な存在で平成11年(1999)に滋賀県指定文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行3間、張間3間、外壁は真壁造板張り。祭神:鹽土老翁神。配祀:彦火火出見尊、豊玉姫尊。
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