大円寺(長浜市)概要: 慈眼山大円寺(高月観音堂)は滋賀県長浜市高月町高月に境内を構えている曹洞宗の寺院です。大円寺の創建は延暦年間(782〜806年)、伝教大師最澄が七堂伽藍を建立し自ら千手観音像を彫り込み安置したことが始まりと伝えられています。応仁年間(1467〜1468年)に笑山が曹洞宗に改宗、何度か兵火により興衰を繰り返し、江州伊香三十三観音霊場第七番札所に定められると信仰が広がったとされます。
本尊である木造十一面千手観音立像(高月観音)は室町時代に製作されたもので、伝承によると天正11年(1583)に発生したの賤ヶ岳の戦いの兵乱で境内が大きな被害を受けた際、兵火を逃れて自ら岩上に建って光り輝いていた事から、火防に御利益があるとして「火除けの観音さま」と呼ばれ信仰の対象になったと伝えられています。古くから神仏習合し隣接する神高槻神社の別当寺院として祭祀を司ってきましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により分離しています。
木造十一面千手観音立像(高月観音)は、像高154.2cm、桧材、寄木造、彫眼、素地仕上、貴重な事から昭和54年(1979)に長浜市指定文化財に指定されています。山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、薬医門形式。本堂(観音堂)は木造平屋建て、入母屋、鉄板葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り。江州伊香三十三所観音霊場第7番札所。山号:慈眼山。宗派:曹洞宗。本尊:千手観音立像。
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